「マザーアースコンサート実行委員会」は2003年秋に、ボイスアーティスト比嘉ひろ音さんの歌声に、心を引き寄せられた仲間達数名で結成されました。
当時、比嘉ひろ音さんは小さなお子さん二人を育てながら、ご自宅を開放して「お座敷ライブ」という名のライブ活動を毎月行っていました。
マイクは使わず伴奏はピアノだけのシンプルなアコーステックライブ。
二間続きの和室の会場は、一般のコンサートホールに比べると決して広くはありませんが、彼女の歌をとても近くで感じられるということで、たくさんの方が足を運んで来ました。
子育て中の主婦が幼い我が子を抱きながら、サラリーマンが重たい鞄を片手に持ち仕事帰りに、人生を知り尽くした老夫婦が二人寄り沿うように、彼女の歌声を聴いては何かを感じ、そして自分の心の中にある何かを求めてやってくるのでした。
そう、彼女の歌の世界は幼いころに母親に抱かれていた懐かしい記憶を呼び覚ますような、安らかで心地良い感覚を思い出させてくれるものでした。
まるで果てしない宇宙への扉へとつながっているような時間がそこにはありました。
〜あまりがんばりすぎないで。大丈夫きっと全てはうまくいくよ〜
彼女は一人ひとりにそっと語りかけるように唄い続けるのでした。
ライブの後には彼女自らが料理の腕を揮い、旬の手料理がついている「美味しいものつき」のこのライブは世間ではずいぶんと話題となり、連日テレビや新聞など各メディアに取り上げられる程でした。
ライブの後に美味しいものを囲みながら弾む楽しい会話。
彼女のおおらかな愛情深い人柄に触れるだけで、自然と心が温かくなるのを感じました。
コミュニティーの場が希薄だといわれている現代ですが、心が優しくなるゆるやかな時間がそこには確実に流れていました。
この場に足を運んだ人の数は延べ人数でどれ位の数になるのでしょうか。
そして当時このライブを通して、彼女の存在に心癒され助けられた人の数はどれだけになるでしょうか。
性別や年齢、職業も全く違う、出会うはずのない私達をつなげてくれたのは、他でもない比嘉ひろ音さんの歌声でした。
彼女の歌の世界に触れることで、自分の心の中に一筋の光を見いだした私達の願いは「この歌声をもっとたくさんの人達に届けよう」という思いで一つにつながりました。
2003年「マザーアースコンサート実行委員会」発足。
私達をつないでいるのは「彼女の歌が好き」シンプルにそれだけなのです。